船VS夜行バス
それはムラヤマが中学生のころ。
夜行バスで神戸まで行き、一日遊んで「ジャパニーズドリーム号」という当時日本最大の客船で帰ってくる、そんな家族旅行に行くことになった。
本当は新幹線で行く予定が、両親が料金のことでけんかになり、つかみあってるのを姉がかろうじてそれを止めて代替案として夜行バスを提案したのだった。
夜行バスは快適だった。当時家に車がなかったせいか、夜行バスは新幹線よりも「前に進んでる感」があって楽しかったし、シートも広かったし、(というかムラヤマが小さかった。)、トイレ休憩も新鮮で、すっかり遠足気分を味わった。朝になって神戸をまわり、今度は客船に乗り込んだ。
船が動いてデッキへ出て約30分。海風気持ちー、の次にきたのはものすごい船酔いだった。部屋でうんうんうなって、トイレに行こうと起き上がるとものすごい吐き気。母が酔い止めをクルーの人からもらってきたのはもう夜だった。急いで飲んでしばらくすると、船酔いはウソのように消えた。部屋を飛び出て真っ暗なデッキへ。途中クルーの人に「気をつけて」と言われた。
夜の船の最後尾でバシャバシャいう波音を聞いて、しばらく眺めていた。
快適無敵の夜行バス、海風さいこーの客船。楽しい旅行だった。
でも船酔いがないだけ、夜行バスが一枚上かな、夜中の海の上でそんなことを考えた。
