東京ディズニーランド夜行バス
とおくの光
子供のころ、できたての東京ディズニーランドの手前まで行ったことがある。
中からは楽しそうな人の声。楽しそうな叫び声に、悲鳴。
私の足はぱったり止まった。
「いかないの?」
父の声にうなずいた。
父はそういうことに慣れていたので、じゃ、おいしいものを食べに行こうかと私の手を引いた。
二度目はもっとずっとあと。車で深夜にディズニーランドに行った。
静まり返った園内。祭りの後を思い起こさせる。
妙に落ち着いて、その日は一晩そこにいた。
そして、今私は三度目のディズニーランドに行こうとしてる。
東京~盛岡行の夜行バス、乗車地をわざわざディズニーランドにした。
そのために電車を乗り継いで、武蔵野線から降りた。
日が沈みかけている。
盛岡では病床の友人が待っているはずだ。
とおく、毎日がお祭りの園内の光を見た。
いまなら、いけるかもしれない。
もう、なんでここで毎日お祭りをしているのか、理解できたから。
それくらい、現実が厳しいってこと、わかったから。
私はディズニーランドに背を向けて、バス乗り場へ向かった。
